初めは意味が分からなかったみたいで。
自分の手元を見て少し皺がついていた台本を見た。
「?!!!」
ムンクの叫びのような表情。
慌てるから、今度は破けた。
「ご、ごご、ごめんなさいぃ~!!」
半泣き状態で謝る。
そんな楓が可笑しくて、思わず。
「ははっ、そんな謝んなくて良いから」
声を出して笑ってしまう。
ポカーンと俺を見る。
「アホ面で見んな」
バシッとデコピンする。
「いったぁー......だって、玲王が笑ったところ久し振りに見たんだもんっ!」
頬を膨らまして言う楓だが、俺につられて笑い出した。
「笑うと可愛いじゃん」
からかう楓。

