「やっぱりねー。見ていてよく分かったよ」
葵はククッと笑って口元をあげた。
俺って、そんなに顔に出るタイプだったんだな......。
「じゃなくって、楓を好きな訳ねーだろ!」
「今更言い訳しなくていいから。
昨日、抱きついてたじゃん、それで分かった」
あのとき葵は居ないと思っていたのに......。
失敗したな...。
「楓ちゃんを見る目が、他の女を見る目と違ったからね」
面白そうに俺を見ながらコーラを飲む。
絶対楽しんでるなこいつ......。
バレちゃったし、もうどうにでもいいか。
「マネージャーを好きになるなんて......このこと知ってる人は?」
「......いない」
「誰にも言ってないんだね。ま、好きになったんならどうしようもないけどね」
静かにそう言った葵。

