「分かってる...」
傷つけたくない。
ただそう思うだけなのに、楓の前では傷つけてしまう。
「それに、楓ちゃんの前ではかっこよくいたいだろ?」
え...?
由樹はニコッと笑うと、そのまま部屋から出て行った。
え、え、お?
今の...
「どーすりゃ良いんだよーーーっ!!」
由樹が居なくなったあと、俺は一人吠えた。
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番組収録当日。
事件は起こった。
携帯の着信音が鳴り、出る。
「はい......
えっ?! はいっ、分かりました!!」
「どうかしたの?」
心配そうに楓が聞く。
「杏花が...倒れたって......」

