だって、見つめられるとなんか胸、てか心臓が苦しくて...。
だから、当たってしまう。
心を落ち着かせて、近くにあった椅子に座る。
「じゃぁ、井上さんに伝えて欲しいって言われたから、言うね」
手帳をパラパラと捲る。
「玲王『バラエティ番組』、陽斗郁斗『クイズ番組』、凌由樹『バラエティ番組』だそうです♪」
一瞬、何なのか分からなかった。
だって、"しのぐゆき"って分かんないだろ。
多分、書いてある通りに読んだんだろうな。
今回は、バラバラなんだ...。
ということは、楓が俺の方に付く訳じゃ無いんだ。
ホッとしてしまう気持ちと、寂しい気持ちがあった。
だって、一緒だったらまた当たってしまいそうで...。

