「んー、空いてる席は椎名の隣のみね」
隣の席を見ると、確かに誰もいない。
新学期に休むやつ居るんだ。
だから、木之本は俺の隣になった。
「SHOOTのレオだよね? あたしのこと知ってる?」
「当然知ってるわよね」という表情で見る。
こういうのって、ホント面倒臭い。
軽くあしらって、そのあとは無視した。
事務所に言われてるから。
女と不必要に話すな、って。
「教科書、見せてくれない?」
耳元で言われる。
長い髪が体に当たるし、香水キツイ。
いくら人気でも、こんな奴だったら誰も相手にしないと思う。
あー...、気持ち悪い。
木之本を離して、俺は教室から出た。

