『かえでちゃんっ、あそぼー?』
『うんっ、いいよ!』
夢を見た。
小さい頃、一度だけお母さんが男の子を連れてきた。
いとこでも知り合いでもない子。
でも、同い年で色々と気があったその男の子と、私はすぐ仲良くなれた。
今は凄く懐かしい...そんな夢。
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「......ん...」
目が覚めると、私はソファの上で寝ていて、パーカーがかけられていた。
ぼんやりと、そのパーカーを見つめていた。
「楓ちゃん、目覚めたんだね」
椅子に座っていた由樹がパタンと本を閉じ、こちらを見ていた。

