LOVE POP!

今は9時。


11時に若葉駅で待ち合わせになって、あたしは慌てて準備をする。


パッと服を選び着て、メイクをする。


バッグに荷物を詰めて家を出た。


あたしの家から若葉駅は少し遠い。


30分くらいかかるんだよね。


あたしは走って若葉駅を目指す。


「はぁ……はぁ……」


若葉駅に着いて時計を見ると、11時まで5分前だった。


「間に合った……」


待ち合わせの柱の前に立って息を整えながら彼を待つ。


しばらくして彼が現れた。


「ごめん。待たせた?」


「まったく……。普通、男性の方が先に来て、女性をエスコートするものでしょ?」


自分だって全速力で走って5分前に着いたくせに、そんなことを言う。


「ごめんね。行こっか」


彼は軽く謝ると、あたしの手を引いて歩きだした。