孤独との対話が、わたしの楽しみです。【短篇集】

あれから、彼女は人形を買ってもらっていない。

そして、現在は娘に人形を買い与える余裕さえ、ないのだ。


今、自分にできることはたった一つだけのような気がした。


かつて人形を捨てたその手で、人形を抱えたその腕で、そっと娘を抱き寄せる。


すると、幼い娘は、照れくさそうに笑ったように感じた。


(了)