あれから孤独さんとは言葉を交わしていない。

理由はきっと――私が孤独ではなくなったから。

表面上は仲間に恵まれたものの、心だけ取り残された気がすることもある。

そんな時、私は呼びかけるのだ。

――孤独さん、孤独さん、あなたと話したい。


返事はないけれど、孤独さんは今なお心の奥底で住んでいるように感じる。

生きている限り、完全に孤独から逃れることはできないから。


かつての『わたし』と、現在の『私』。

ひとりでいる時間が短くなった。

それだけの変化によって失われた、対話。

色褪せることはないであろう、対話。


今日もノックの音を待ちつつ、思い出を綴ってみた。


(了)