「ちっ、またお前と同じクラスかよ。このチビ」

一学期始業式の朝。

意地悪そうな目付きをした『奴』が、わたしの頭をボカッと叩いて去ってゆく。

しかし、わたしは言い返すことができない。

――弱いから。

そんなわたしに声など必要ないのでは、と思い始めていた頃だ。

声に、異変が生じたのは。