孤独との対話が、わたしの楽しみです。【短篇集】

「半日の猶予をやろう。現世に帰っていいぞ。但し……」

こっそりと少年は自分の右手で左手の皮を抓った。

痛い。

これは現実なのだろうか。

「半日経つと、またここに戻ってくるんだからな。引き合う磁石のN極とS極のように」