ぽーん、ぽーん。 商店街を出て歩道を歩くことになったものの、人通りはない。 際限なく続きそうな無人の地を、私はしっかりと踏みしめる。 緩やかな風に乗って、甘い香りが漂ってきた。 穏やかに揺れる、金木犀だ。