「いらっしゃいませー」 一斉に声があがる。 パーマをかけるお客さんのロットを巻く手を止めて、ツボミ君が私に笑顔で頭を下げた。 私も小さく頭をさげる。 あ 今の私の笑顔は、緊張でちょっとひきつっていたかもしれない… 「いらっしゃいませ、川嶋様。今日はどうなさいますか?」 受付の女の子が聞いた。 「あ、今日はカットで…」 「カットですね。担当はいつもの四月朔日でよろしいですか?」