私は先生の背中に腕を回しソッと囁いた。 「先生も‥泣きたくなったら電話して下さい。私が慰めてあげます‥」 先生のフッと笑う声がした。 そして「その時は頼むよ」と言った。 「先生‥もう行かないと電車来ますよ…」 「そうだな…」 私と先生はゆっくりと離れた。 「お前の卒業式の日‥必ず迎えに来るからな」 「‥はい」 「その時はまた‥このホームで逢おう」 「約束‥ですよ」 「あぁ」 先生は私に小さな箱を差し出した。