「沁司君‥ビター姫に脅されてたんでしょ…」

「っ‥!」

「他の人も‥大切な女の子を…人質にされてるんだよね‥」


その場にいた全員の表情が悲しみに変わった。

辛そうな顔‥拳を握り締めている奴‥

湊さんは僕と大馳に言った。


「みんな‥私の怪我が酷くならないように…ビター姫が来たときにだけ‥殴るふりをしてくれたの」

「殴るふり‥ですか」

「うん‥」


湊さんは「みんなを‥傷つけないで…」と言った。

自分は傷だらけなのに‥


「わかりました」

「栗栖さん‥」

「ですが、主犯格を潰します」

「怪我はさせないで!!」


湊さんは泣きそうな瞳で言う。