俺が彩の面倒をみるから。




それだけじゃ、母さんも父さんも首を縦に振らなかった。




だから、




この街からは出て行く。





そう言ったら許された。






たぶん、ここでは知り合いが多すぎるからだろう。だれも俺達を知らない。そんなとこだったら安心と考えたのだろう。でも、俺だったら、ずっとこの街にいた方が安全だと思う。何より炎龍が守ってくれる。




でもそれではだめなのだ。




「炎龍の力は借りない」





これがお父さんの条件だった。





どっちにしろ関われないじゃん。





そう心の中で思ったけど、あえて言わない。





普段は優しい父親だけど、今はそんな雰囲気じゃないから。





まあ、一回だけなら許しもらったけど、話をするね。





だから明日、言おうと思う。




今が冬休みでよかった。




つくづくそう思った。