「俺の妹が……勝手な思い込みで人を殺人犯扱いするほど最低な奴だとはな」

びっくりするほど悲しい目でアタシを睨む

ショックで放心していると、お兄ちゃんの後ろにいた山内さんが崩れ落ちるようにしゃがみ込んだ

顔は青ざめて、目は見開かれているのに虚ろだ

見ている側もつられて苦しくなってしまいそうな荒い息づかいで、せわしなく肩が上下している

「過呼吸になるからたくさん息はしてはいけません。

苦しくても我慢して、ゆっくり息をしてください」

お兄ちゃんは山内さんを立たせた

店とつながっている居住スペースに連れて行くんだろう

「ぼ……くが……ころ……」

去り際に山内さんはアタシに振り向いて言った