「あゆの味だ……舌の上でトロトロして、甘い。すごく美味いよ。
……そうだ。あゆもさ、俺を食べてみてよ。俺の一部があゆの中に入るなんて、考えるだけでもゾクゾクする……」

アタシは裕太の言っていることが理解できなくて泣きながらかぶりを振った

怯えるアタシをまるで無視して裕太はふらりと立ち上がる

棚の上に置いてあった何かを手にとった

「ほら、飲んでよ」

そう言って裕太はなんのためらいもなく、ナイフで自分の腕を切りつけた

顎をつかまれて無理やり顔をあげさせられる

笑顔で見下ろす裕太は、とめどなく流れる血をアタシの顔にかけた

濃厚な血の匂いに吐きそうになる

指先にすくった血を唇に刷りこまれ、激しく蒸せた

裕太は血塗れになったアタシを抱きしめてきた