いきなり、注射器がふっ飛んだ

飛んでいった注射器は近くにいたチンピラの二の腕に刺さった

「ぎゃあぁぁぁぁぁ!?」

獣じみた悲鳴があがる

「あゆ!? なんでお前がここに!?」

注射器を蹴飛ばした裕太が驚いた顔でアタシを見下ろしていた

「裕太こそ……なんで?」

「ここは俺の仲間内のたまり場なんだよ。おい、テメェ!」

「ひぃ!」

裕太はアタシを連れ込んで注射を打とうとしたチンピラの胸ぐらを掴んだ

「これは俺のもんだ。汚ねぇ手で触んじゃねえ!」

ドカッバキッゴキュッ!

「行くぞ」

チンピラをタコ殴りにした裕太はアタシの手を取って連れ出してくれた