「うん。アタシも初めて見たときびっくりしたよ。でもかっこいいっていうより、キレイって感じじゃない?」

「そうかも! あの人の横に並ぶとしたら、そこいらの女の子じゃかすんじゃいそう」

「ご注文はお決まりですか?」

注目をとりに来た店員さんを、美紀はうっとりとして眺めている

無理もない

ヨーロッパ映画に出てくるようなよろい戸付きの窓から差し込んでくる夕陽に照らされて、店員さんは天使みたいにキレイだった

後ろで一つにくくっている栗色の髪の毛と、同じ色のガラス玉みたいな瞳がキラキラしている

「えーと……じゃあアタシはいちごタルトとミルクティ。美紀はどうする?」

「あ……っ、えっと……わ、わたしもおんなじので!」

ぼうっとしている美紀に尋ねると、美紀ははっとして声が裏がえった