放課後


「ねぇねぇ、あゆー。帰りにケーキでも食べていかない?」

美紀が私の肩をトンと叩いた

美紀はアタシの一番の親友で、お互いなんでも話せる仲だ

「いいよー! アタシおいしいケーキ屋さん見つけたんだー!」

アタシと美紀は駅の近くにあるケーキ屋さんに行くことにした。

「やっぱり数学で頭を使ったあとは糖分補給しないと!」

「あゆはノートもとらないでずっと寝てたでしょー?」

アタシたちはまるで漫才みたいにテンポよくふざけあう

話しながら歩いていると、ドンってなにかにぶつかった

「きゃっ!」

よろけると、なにかがアタシの腕をつかんだ……――

「あ……すみません……」

アタシの腕をつかんだ力強いものの正体は、背の高い男の人……――

アタシは少し背の低い方だから、背が高いってだけで威圧を感じてしまう

でもその人はとても優しい目をしていて…

なんて不思議な人だろう……