星の哀歌

「待て……よ!」

這いつくばってきた智幸が裕太の足を掴んだ

ナイフが刺さった背中は血で黒く染まっている

「触んな。死に損ない」

裕太は掴まれていないもう片方の足で智幸の頭を踏みにじった

「もう止めて!」

アタシは見ていられなくなって叫ぶ

「うおおおおお!!」

智幸は背中に手をまわし、自力でナイフを引き抜いた

どこにそんな力が残っていたのか、すごい勢いで起き上がる

そしてそのまま裕太に倒れ込むようにしてナイフを突き刺した

二人は一緒に倒れた

「智幸! ……死んでる……!」

最後の力を振り絞ってアタシを助けてくれたんだ

倒れた智幸はもうピクリとも動かなかった