星の哀歌

それは他の誰かを好きになる勇気……

アタシは光星と果たせなかった恋の物語を、他の誰かと一からまた書き始めるんだ

「どういたしまして。あの、さ」

ぶつかった男の人が照れくさそうな顔している

金髪で、いかにもワルそうな見た目だけど、根はかわいい人みたい

「いきなりで変に思うだろうけどさ、俺、あんたに一目惚れしたみたいなんだ。
信じられないと思うけど、なんていうか運命みたいなもんを感じたっていうか……」

「ううん。全然変じゃないよ。
だって、運命ってあるんだから! アタシ、あゆ。あなたは?」

「俺は智幸」

智幸……運命の人の名前を心のなかで呟いてみる

運命の人が一人とは限らないんだね

だって現にアタシはこうやって二人目の運命の人を見つけられたんだから

言葉にできない愛しさが胸にこみあげてきて、気がついたら智幸を強く抱きしめていた

智幸もアタシを抱きしめ返してくれる



もう……離れたくないよ


アタシの運命の人……