「なんのまねですか! やめさせてください!」

「嫌だよ。あんたこれから男に犯されんだよ!」

グリグリと靴で顔を踏みつけたあと、お腹を蹴ると芋虫みたいに体を丸めて苦しがった

「それじゃお願いします。やっちゃってください」

アタシの一言で男たちはいっせいに芋虫に襲いかかった

「山内さん? 鍵開いてますけど」

同時に、聞こえてきたのはお兄ちゃんの声だった

「助けて!」

芋虫が叫ぶと、お兄さんはあっという間に駆けてきた

「てめぇら、殺してやる!」

お兄さんは芋虫を組みしこうとしていた男につかみかかって殴った

男は鼻血を吹き出して悶える

お兄ちゃんは見たこともない怒り狂った形相で、芋虫に手をかけようとしていた男を殴りとばした

芋虫は呆然としている

「ヤバいな。あゆ、行くぞ」

裕太はアタシの手を引いて逃げ出そうとした

でもアタシはその手を振り払った

「またお兄ちゃん!? もういい加減にしてよ!」