夜になり、姫宮も茵に入った。
今では、規則的な寝息を立てている。
勒天は、簀に出て月を見上げた。
「潮彌…。あの男、以前どこかで……」
さらさらと美しい黒髪を靡かせ、呟く。
その目は、訝しげに細められていた。
――――――――――カタン…
「…ッ!?何物……潮彌殿…?」
「あ…樟葉様。このような時分に…。お身体が冷えてしまわれますよ。さ、中へお入りください」
障子を静かに開けて、促す。
「え…はい。ありがとうございます」
礼を述べ、中へ入った。
姫宮の枕元に端座し、髪を鋤く。
「あの男――――。何物…?」


