「ねぇ、私の噂聞いたでしょ?私、好きな人出来たのよ」
自慢げに言う、宮坂さん。
どうでもいい、もう何処か行って欲しい---なのに、彼女は私の隣に腰をおろし聞いても
いない好きな人の名前を小声でそっと私に教えてくれた。
彼女が恋した彼の名前は『篠本龍輝』と言うそうだ。
私は、彼を知らない----知りたくもない。
宮坂さんは彼を愛おしげに語りだした。
「龍輝って、凄いイケメンなの。優しいし、頭いいし、運動神経もいいし…なんでもでき
るのよ。私のタイプなの」
顔に、可愛い乙女笑顔を浮かべ私の知らない彼を語る宮坂さん。
そんな宮坂さんに私は優しく言った。

