卒業まで、あと1ヶ月。



教室に[宮坂さんに好きな人が出来た]という私にはまったく関係のない噂が波のように広まった。



※※※※※


私は、昼休み中庭で1人お弁当を食べていた。



自分で作った地味なお弁当のおかず。



まるで、自分自身だなと思いながら私は一口ずつ味わって食べた。



「石井さんじゃーん。1人で寂しくないの?」



…来たよ。



私は、1人で居るのは好きなわけで嫌いじゃない。1人でお弁当を食べるのも正直楽しいし寂しいなんて気持ちは1回も感じたことは無かった。



お弁当を食べながら青色の涙を流したことなんて1回もない。