「なぁ、石井さん。いつも、ここで本を読んでいるのか?」 放課後は図書館で本を読みながら過ごしていると、頭上から声がした。 顔をあげると。 「こんにちは、俺の事覚えてる?」 「ええ、篠本くんでしたね」 何故、彼が図書館(ここ)に居るのか。 何故、彼が私の名前を覚えているのか。 何故、彼が私に声をかけたのか。 どれも、これもさっぱり分からなかった。