「石井さーん」



クラスの垢抜けているグループの宮坂花蓮に名前を呼ばれた。



「ねぇ、返事ぐらいできるでしょ?-----むかつくんだよね、その無表情」



-----卒業まで、1ヶ月。



私は、平和に笑えるようになれますか?



この無表情をむかつかれても困るんもんだ。



「なんですか?」



「あれ?石井さんって日本語喋れるんだ?」



「えぇ、まぁ」



「無表情、なんとかならないの?」



「ならないと…」



「むかつく」



そう言って、強く私の肩を押す。