すくすく育って、ロッティーは
ムーンライトの森で、一番おてんばな女の子になりました。

川遊び、キノコとり、森の探検など
毎日、森の中をかけまわって遊んでいます。

いろんな遊びの中でも、ロッティーは木登りが大好き。
ムーンライトの森で一番高い木のクスノキに登るのが
とくにお気に入りでした。

ある日、クスノキのてっぺんに登って
遠くをながめていると、ムーライトの森をぬけて
荒れ地をこえると、こんもりと木が茂った
別の森があることに気がつきました。

「ねぇ、お母さん。向こうの森はなんていう名前なの?」
ロッティーはお母さんにたずねました。
「さぁ、知らない。昔から『 知らない森 』って呼んでいるけどね」
「お母さんはあの森に行ったことがある?」
「いいえ、行ったことはないよ」
ロッティーのお母さんも、そのまたお母さんも……。
誰も、あの『 知らない森 』に行ったことがなかったのです。

どんなところだろう?
クスノキのてっぺんから見える
あの『 知らない森 』が気になって、気になって……。
ロッティーは仕方がありません。

いつか『 知らない森 』に行ってみたいなぁー。
おてんばロッティーは、そんなことを考えていました。

ある日、お母さんに思いきって言いました。
「わたし『 知らない森 』に行ってみたい!」
すると、お母さんはおどろいて。
「ダメ、ダメ! あの森には、誰も行ったことがないんだ」
「だから、わたしが行ってくるわ」
ロッティーはそう答えました。