「あ、ちょ、ちょっと待って?」

そう言って仙樹にかけよる瑠璃。
なにをするつもりじゃ?

「な、なによ。」

仙樹は瑠璃を警戒している。
そんな仙樹の手をとり瑠璃は幸せの
まじないをかける。


「あなたに幸多からんことを祈ります。」

「それじゃあ!」

それだけを告げ駆け寄ってくる瑠璃。
わしは愛おしくて思わず頭をなでた。


「さあ。戻るぞ。」

「ええ。」

瑠璃と戻ろうとするとすると突然声が聞こえた。

「私、あんたのこと認めたわけじゃないわ!」

「ええ。」

若干哀しそうな瑠璃。


「だけど、ありがとう。」

そう言ってそっぽを向く仙樹。
素直じゃないのう。

「ええ!」

嬉しそうに答える瑠璃。
そう言ってやっと人間界へ戻ってきた。