「ほんにおぬしは優しい心の持ち主じゃのう。
刹那が惹かれるのもわかる。」

ぼそっと大長老様がなんと言われたのかわからず聞き返そうとすると突然名前を呼ばれた。

「瑠璃！」

振り返ると刹那が立っていた。

「っ刹那！」

久しぶりに見た刹那。
1か月ぶりにみる刹那は少し髪が伸びていた。

やっと,やっと逢えた！

刹那は黙ってこちらをみつめている。

「刹那？」

「瑠璃お前どうやって」

言いかけた瞬間誰かが私めがけて狐火を発してきた。

「瑠璃危ない！！」

刹那が叫ぶ。
私はその狐火を霊力で吹き飛ばす。

きっとこの霊力の使い方は魂の記憶が覚えている。
だからなにも考えずにできたのね。

「あなた本当にこちらの世界に来たのね。」

「仙樹さん。」

「あなた一体なんなの？」

「私は、桜乙女であり一人の人間よ。」

「あなたなにしにここまで来たのよ！」

「仙樹さんが刹那を連れ戻したければ私に狐の世界に来なさいといったでしょ？だから私は私の大切な人を迎えに来たのよ。」

「っこの人間が！」

そう言って仙樹さんはまた狐火を発してこようと構えた瞬間大長老様が仙樹さんを不思議な力で止めた。

「仙樹。やめないか。おぬしの力では瑠璃さんにはとうていおよばぬよ。」

「っでも大長老様！相手は人間よ？たかが人間ごときに私が負けるはずがないわ！」

悔しそうに仙樹さんが叫ぶ。