「貴方様は誰ですか?」

「わしか?わしは大長老と呼ばれておるのう。」

「貴方様が、大長老様。」

この人が。
確かに神秘的な空気が包んでいる。

刹那とはまた違う優しい雰囲気をもつ不思議な人。

「刹那に逢いにきたのじゃろ?」

「はい。」

「ようこられたのう。」

「あの、合格ってなんのことですか?」

「ああ、おぬし刹那に恋をしておるのじゃろ?」

「え?」

な、なんでわかるの?

「おぬしの癒しの力から刹那を思う気持ちも同時に伝わってきた方のう。」

そう言われて急に恥ずかしくなって俯いた。

「刹那の横に立つにはそれなりの霊力が必要じゃ。御主は霊力も優しさも聡明さも兼ね備えておる。だから合格じゃ。」

そう言われて改めて刹那の凄さを実感した。
彼は人間ではない。
神と、呼ばれる存在。

そんな彼に恋をした。

「仙樹がいろいろとすまぬのお。」

「え?」

「仙樹はわしの孫じゃ。」

「そうなんですか。」

「ああ。ちと甘やかしすぎたようじゃ。あやつも刹那を慕っておるのじゃ。そのせいかしょうしょう度がすぎる。許してやってほしい。」

そういって頭を下げる大長老様。

「え、や、大長老様頭をお挙げください!!」

「許してもらえるか?」

「はい。恋をすれば人は変わります。仙樹さんは少しずれてしまった代わり方をしてしまっただけです。私も、恋をしてかわりましたから」

笑いながらそう言ったら大長老様は優しく微笑んだ。