「え?」

「おぬしは桜乙女じゃな?」

狐が喋っていた。
けれど何故か私は素直にそれを受止めていた。

「はい。」

「まだ桜乙女の能力事態は目覚めておらぬようじゃのう。」

「え?分かるんですか!?」

「おお。わしのキズを治したのはおぬしの霊力じゃよ。相手を真剣に労わる想いがおぬしの霊力を癒しの力へと変えたのじゃ。」

「いやしの、ちから。」

「合格じゃ。」

「え?」

狐が呟くと周りの景色は豪華な屋敷へと姿を変えていた。

「え?え?どういうこと?」

「すまぬのう。ちとおぬしの実力を試したんじゃ。」

「え?」

振り向くと狐はおじいさんの姿へと変わっていた。