「申し訳ありません。今すぐ刹那様を人間界へ戻してさしあげたいのですが、私にはまじないを破るほどの力はありません。」

悔しそうに呟く雷。

「気にするな。わしとて破れぬまじないじゃ。」

「そのかわり刹那様に一生懸命御遣いします。」

「おぬしはかわらぬの。」

「私の主は刹那様ただお一人ですから。」

「そうか。すまぬの。
おぬしは宴の席へ戻っていろ。」

「はっ」

そういって雷は戻っていった。