わしの名を呟いた後
女は不意に黙った。

この女の名を知りたい・・・・

「おぬしの名は?」

「瑠璃・・・・です。」

「ほう・・・瑠璃か・・・」

瞳は桜色で名前は瑠璃・・・・
本当に面白い女だ。

しみじみそんなことを考えていたら瑠璃がこちらを見つめていた。

「ん?なんじゃ?」

「あの・・・変な事を聞いてもいいですか・・・?」

変なこと・・・?

「なんじゃ?」

わしは興味を持って聞いてみた。

「あなたが唄で歌われている夢の主?」

・・・・・なんだと?
この女・・・いいや瑠璃にはわかるのか?

ああ・・・瞳が桜色・・・
お主がわしの3000年待っていたていた・・・

「ああ・・・お主が桜乙女か。」

「へ?」

不思議そうに呟く瑠璃。

だけどやっと・・・やっと・・・

「やっと・・・出逢えたんだな。」

3000年・・・待ったのだな・・・

「え・・・なんのこと?」

瑠璃は不思議そうに呟いた。
本当になんでも知りたがる女だ。

「明日話してやろう。今日はもう眠れ。夜も更けてきたからな」

そういって瑠璃を眠らせる。
わしも・・・少し話をまとめたいからな。

「え・・でも私眠くな・・・」

そう言ってふらついた瑠璃を抱きとめる。

いまはゆっくり眠れ・・・