本当だ。
気がついたら私は桜の前にいた。

なんでだろう?

「桜が瑠璃を呼んでいるのかもね」

そういたずらっぽく微笑む姫。そうなのかもしれない。
いつでも私は見守られていたのかもしれないね。

「あ、ねえ瑠璃?最近思ったんだけど、瑠璃印象変わったわね!」

「え?」

「なんか大人っぽくなったのかしら?よくわかんないけどそんな感じがするのよね」

「そうかなあ?」

「ええ。」

自身満々に頷く姫。

霊力が開放されたからかなあ?
いや、きっと恋をしたからかもしれない。

「あ、そうだ瑠璃境内の掃除手伝ってもらえる?」

「うん!今行く。」

「言いたくないなら言わなくてもいいわ。だけど1人で抱えこんではダメよ?」

そっと呟く姫。

「姫…ありがとう。」

本当にありがとう。