「助けてくれないでしょうか。」



「無理。」



「無~理~。」



「…くそ野郎。」ボソッ



「何だって?」



「ごめんなさい。」





頼んでみたけどダメだった。マジで嫌だ。塚、実のバカ野郎。香のアホ野郎。




口に出して直接言えないから心の中でそう悪態つく。



でも、人間の粋を越えている香が




「アホ野郎……ねぇ~?」




ニヤリと笑って自分の席へと向かっていった。代わりに香の席から実の前の席へと戻ってくる女の子。


あぁ、そういうことか。席を代わってもらってたのね。




結構頭いいじゃん。香にしては。とか思う。



でも次の瞬間、そんなことを思う余裕なんてなくなってしまった。







「先生~?白兎さんが帰って来ましたよ?"サボり"から。」





鼻に唐辛子つっこむぞ。






「白兎…。」





私が香を睨む中ラッチョは目を覚まし、ゆらりと椅子から立ち上がって。






「白兎ぉおおおぉお!!!」






発狂しなさった。