【栞】



あの後…。



あたしは家に帰った。



「栞ー?」

「隼くん…。」

「サボりか?」

「そんなとこ…。」

「涼は?
 一緒じゃねぇのか?」



ズキズキ



「…別れた。」

「ぇ…はぁ!?」

「振られたの…あたし。」

「ありえねぇ。
 ってか何だよまじで。」

「…笑っちゃうよね。」

「おぃ…涼どこだ。」

「ぇ?」

「話してくる。
 このままじゃ俺が
 切れる。」



隼くん…。



「いいよ。
 涼…彼女できたし。」

「アイツ…っ。」

「あたしは…もういい。
 涼が幸せになってくれたら
 それでいいから…っ。」



ぎゅ



「隼くん…?」

「なぁ…栞?
 こんなときまで強がんなくて
 いいから。
 兄貴の前くらい泣けよ。」

「お兄ちゃんっ…。」