僕は君のものⅡ


教室に帰ると、一番に明日香が私のところに来た。

私はさっきのことを思い出して、明日香に問いただした。


「ちょっと明日香。どういうこと?置いていくなんてひどいよ。」


「それより何話したの?」


全然私の話を聞いていない。しかもそれよりって・・・。


「明日香、あの子とこと知ってるの?」


「はぁ。ほんとに香織はなんにでも興味持たないんだから。いい?よく覚えとくのよ!あの子は1学年の王子様、江藤弘樹くん。成績優秀、あの容姿にあの身長。雑誌のモデルもしてて、かなりの有名人なんだから。」


「へぇ、そうなんだ。確かに綺麗な顔してたよね。」


「し・か・も!双子なんだから。」


「じゃぁ、あの顔が二人も居るの?」


「違うわよ。妹。この子も有名で、江藤有紗っていうんだけど、それがめっちゃ可愛いの。妹もモデルしてて、すでにファンクラブがあるくらいなのよ。あっっ!!あの子よ!!」


ちょうど教室の前を通った。というか教室に入ってきた。


ざわざわし始めた。その中には「有紗ちゃーん!」と叫ぶオタク系男子も居た。たぶんファンクラブに入ってるだろうな。


有紗って子は、キョロキョロ教室を見渡すと、窓際に向かって歩き始めた。隼人の席だった。


隼人はいつものように、裕樹くんと居た。


「あ、有紗ちゃん。」


「こんにちは、裕樹先輩。今日は隼人先輩に用事があって来ました。」


「はいはい。どうぞー。」


そういって裕樹くんは、隼人の席を離れた。