その時、 スッ と左手の薬指に冷たい感触がした。 え…… これって、もしかして…。 「目、開けて」 海の言葉を聞いて ゆっくり目を開ける。 「あっ……」 あたしの目線の先には、 左手の薬指につけてある指輪。 「それ、ペアリングなんだ」 「……え!?」 海が自分の左手を見せる。 う、嘘……。 ペアリング…………? 「う、海ぃ……」 「泣くなよ、泣き虫」 あたしは嬉しくて 涙を流した。