「なに?」 あたしは大人しく目をつぶる。 それを確認すると、 海はなにやらゴソゴソと始めた。 不思議に思いながらも ずっと目をつぶる。 ゴソゴソした音がなくなったと思ったら、 トン っとあたしの前に海が座る音がした。 「う、海?まだ?」 なんかソワソワして、 早く目を開けたい一心だった。 「まだ」 海はそれだけを言うと、 あたしの左手を手にとる。 「え、え、なに?」 「黙ってろ」 また海が命令口調であたしに言う。 どうも この口調で言われちゃうとダメみたい…。