「華梨…?」

「ばれちゃってたの、憐のこと。あたしが、自分から話す前に。」

「どうして?」

「わからない、けれど。お前は親にも言えないことを隠れてしているのかって、よりによってどこの馬の骨かわからない奴にたぶらかされてって、パパもママも怒ってる。」


今の華梨が、相当動揺しているのは見て明らかだった。
いつもは、何かあったとしてもここまで全てを話したりはしない。

…―――にしても、だ。

予想はしてたにしろ、酷い言われようだ。馬の骨って…

華梨の両親からしてみれば、俺なんかそういう存在なんだろうけど。


「……携帯も、没収されたわ。きっとまた、家から出してもらえなくなる…。」


中学の頃、俺といたせいで華梨の帰りが少しばかり遅くなったことがある。

そんな些細なことでさえ、3日間外出禁止にした親だ。
今回の件では、外出禁止とか言うレベルの問題じゃ済まないかもしれない。


「家に帰りたくないよ、憐……」


それはきっと、華梨もわかっているのだろう。

いつもとは対照的に肩を震わせて泣く華梨を、強く強く抱きしめた。


今の俺には、それしかできなかったから。





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