制服姿のまま、こんなにも酷い天気だというのに傘も差していない。
走ってきたのか、激しく上下する肩。唇を噛み締める表情は、泣いているようにも見えた。
はっとして、さっき畳んだばかりのバスタオルを手に、玄関へと飛び出す。
俺の姿を視認するや否や抱きついてきた華梨の体は、思いのほか冷たくて、震えていた。
とりあえず、華梨を抱きかかえるように家へと入る。
バスタオルとスウェットを渡して着替えを促し、何か体が温まる物でもと、お湯を沸かしながら考えた。
確かに帰り、華梨はいつも通りに迎えに来た車に乗り込んで帰ったはずだ。
それなのにどうして華梨が今、俺の家にまで来たのか。
…―――あまり、いい話ではなさそうだ。
胸にひしめく嫌な予感を押し殺し、俺のスウェットに身を包んで縮こまっている華梨へ、ホットココアを差し出した。
「飲んで。体、温まるよ。」
「……ごめんなさい、憐。急に押しかけて。迷惑よね。」
「そんなことないよ。」
いつもとは正反対な、弱々しい声。
伏せられた瞳は、何かを恐れるようにただ自分の手元を見つめる。
声をかけることもできなくて、そうするべきでもないと思って、黙ったまま華梨の横に腰掛けた。
