Secret*Hearts



「そんなの……」


「俺は、いつもの偽ってるきみなんて知らない。

今みたいに泣いてるのしか知らないんだ。

初対面だし、名前も知らない状況でこんなこと言うのも変だけど、何も知らないからこそ、力になれることだってあるよ。」


「………、」


「さっきも言っただろ。

泣きたいときには泣けばいい。

笑いたいときに、思い切り笑えばいい。

そうやって生きれる場所がないのなら、せめて俺の前では、自分に嘘をつかずに生きて。」








最近、華梨の様子がおかしいと思ってたのは確かだった。

恵との一件がそうさせているのかと思っていたけれど、どうやら原因はそれだけではないらしい。


「憐…っ!」


とても激しい、雨だった。
それ以外はまったく、いつもと変わらない1日だったのに。

一人暮らしをしている俺の家、…といっても、母子家庭であるため、母さんは働きに出ててほとんど家に居ないだけなのだけど。

インターホンの向こう、映ったのはさっき別れたはずの華梨の姿だった。