「一方通行だったんだよね…」

「そんな…」


先輩は体育座りをして膝に顔を埋めた。

あたしはただその姿を見てるだけ。


「先輩…」

「もう無理かなぁ…別れるのかなぁ」


あたしは…あたしはどうすればいい?

心にもない慰めを言えばいい?

あたしの本心を伝えればいい?


「啓くん、が…なんで……
先輩を好きじゃないってわかるの…」

「…え?」

「好きでもないひとのワガママなんて
誰も聞かないですよ……」