車内☆恋愛

バチッとあたしと視線があう。


「あ、あの。いま東城咲なんだけど…」

「っ!まじかよ…」


彼は勢いよく立ち上がる。

あたしはついその焦った横顔に

見惚れてしまう。


――どんっ


そのせいでおもいっきり彼のカバンが

あたしにぶつかる。


「あ、悪――…」


彼がドアから出たと同時に

ドアが閉まる。


「え…?」


口パクで何か言ってる…?