車内☆恋愛

「じゃあまたね」

「あぁ、またあした」


――また明日。

この言葉を初めて言われた時は

本当に嬉しくて。

でも今は片思いのころとは違くて、

私はもっともっと欲張りになってしまう。


「ばいばい、啓くん」

「うん」


手を振る啓くんにあたしは。

つい実感したくて。確かめたくって。

啓くんに向かって走り出した。


「ぅわっ!?」

「…っ」


ぎゅって抱きしめて欲しかったんだ。


「加、賀美?」


少し戸惑ってたけど優しくあたしを

抱きしめてくれた。