車内☆恋愛

「兄貴……」


そうだ、


「璃南?どーしたんだよ」

「違、う」

「は?」


蒼二は……


「そういうのじゃ、ない…」


あたしは唇を噛んだ。


「そういうのって何だよ…」


あたしを気遣うように

頭を撫でる。


「やっぱ俺じゃ、だめ?」


―――俺じゃ、だめ?


「蒼二――…」


少し悲しそうに笑う蒼二。

その瞳は不安そうに揺らいでいた。


「…んだよ、やっぱ無理か…」

「……あ」