車内☆恋愛

蒼二が鼻で笑う。


「ガキか、お前は」

「失礼な」


あたしはギュッと蒼二にしがみつく。

背中の温かさを感じる。

あたしはそっと目を閉じる。

目を閉じると啓くんと蒼二の顔が

交互に浮かぶ。

自然と手に力がこもる。


「どーしたんだよ」

「何も…」


あたしって最低な女だね…

彼氏と居るのに他の人思い浮かべるなんて。


「着いたぞ」

「はーい」


あたしは慣れないバイクから

ゆっくりと降りた。